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【映画 少年たち】エガオくん考察まとめ

せっかくなので、映画少年たちのエガオくんについての考察を記念にまとめておきたいと思います。

「少年たち」の考察ではなくて、あくまでも「エガオ」というキャラクターの考察だよ!

 

バッドエンドや胸糞系のストーリーが強烈に苦手なので、少しでも前向きで希望が持てるフィルターかけてます。

ご了承ください( ˘ω˘ )

 

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「エガオ」というキャラクターについて、事前情報として

①どうしようもないいじめられっ子

②いじめられっ子への復讐がきっかけで収監

③いつも笑ってるサイコパス

というものが与えられていたと思います。

この中で、中の人(高地優吾さん)が直接言及してたのは①と②だけだったかな??

サイコパス」ってワードは、最初から彼が言っていたわけではなくて、試写会以降オタクが言い始めた後から、本人も言い出したはず。

 

さっそく、時系列順にエガオくんについて考察していきます。

 

①ジュンと初めて出会ったシーン

部屋に入ってきたジュンに、真っ先に優しい声で声をかけていたのが印象的ですね。

ちなみに、私はここの部分で既に母性がカンストしました。

「どうしようもないいじめられっ子」だったエガオくん。

中の人も「キャッチボールもロクにしたことがないだろう」と想定して演技していたそう。

もしかしたら「同世代の男の子と対等に話をする機会」は収監されてから得た経験だったのかな?

そして、いじめられっ子だったエガオくんは、きっと誰よりも誰かに嫌われることが怖い。

一部のオタクが(おそらく冗談で)「あの時のエガオ、ぶりっこすぎでは??笑」と茶化してたけど、

「誰からも嫌われたくないから、ぶりっこのような振る舞いになっていたのでは?」

と考えています。

事実、ずっと「ぶりっこであざとい」と叩かれていたとあるタレントさんが、「誰からも嫌われたくないから、結果としてぶりっこになってしまった」と言っていたのを聞いたこともありますし。

きっと、彼なりの防衛本能を表してたのかもしれません。

(それを踏まえると、彼が同じ部屋になったのが、仲間を大切にするジョーで良かった。 やっぱりゆごじぇは尊い。)

 

②ジュンに少年院について色々と説明するシーン

あそこは、2つ見所があると思っています。

まずは、ナレーションのシーン。

皆絶賛してますよね、あれ。

本当可愛い。

あの声でスピードラーニングしたら、間違いなく半年でTOEIC990点取れるようになると思います。

「エガオ」というキャラクターだったからこそ、あんなに冷静に、かつ客観的なナレーションができたのではないでしょうか。

 

もう1つのシーンが、看守を怖がるジュンに向かって「あんな奴ら、マネキンだと思えばいいんだよ。」って微笑むシーン。

あそこで、「いつも薄ら笑いを浮かべている気味の悪い少年」のイメージを作っています。

出会い頭では、優しくて愛想の良い人感を出していたので、その分気味悪さが強調されていたような。

あの辺りから「サイコパス・エガオくん」が出始めてますね。

 

③「俺たちは上等」前のケンカのシーン

気付いてる人多いと思うんですけど、あの時、エガオくんはただただモップ片手にあたふたしてるだけなんですよ。

きっと、未だに喧嘩や暴力に慣れていないんでしょうね。

母性が爆発しました。

死ぬほど可愛いので、気付いてない人は早急に見てください。

 

余談ですが、「俺たちは上等」の「キスするようなもん〜♪」のパート。

舞台ではパパパ〜って投げキッスする振りをするんですけど、映画版では違う振りになっていたので悲しかったです。

 

④例のシーン

「エガオの見所」を10人に聞いて10人絶対そうだと答えるであろうシーン。

ジュンがコウタやリョウに襲われている時、止めに入って突き飛ばされる→ガタガタ震えながら笑う→回想シーンのところですね!

ここは、既に様々な人が色んなパターンの考察をしています。

 

まずは、突き飛ばされてうふうふ笑うシーン。

本っ当に気味悪いですよね。

あそこは、間違いなく演出側も「エガオの気味の悪さ」を出そうとしているはず。

 直後、回想シーンでも壁にぶつかっているので、虐められていた時のことを考えていたものと思います。

ここで思い出してほしいのは、公開前に中の人が「いじめられているのをうまく誤魔化すように、いつも笑っている子」と言っていたこと。

だから、エガオくんはいくら辛いことがあっても、嫌だと感じていても、必ず笑って誤魔化すことが当たり前だったのではないかな。

そうと仮定すると、目の前で起きている喧嘩や過去のトラウマを思い出して、でも辛い顔なんてできなくて、どうしたらいいか分からなくて、結果として笑ってしまっていてもおかしくはないと思っています。

身近に個人情報に詳しい情報屋がいるうえ、ルームメイト(?)は仲間意識の強いジョー。

あのジョーのことなので、きっと喧嘩のときはいじめられっ子だったエガオくんのことを守っていたはず。

(前章でも述べた通り、エガオくんは喧嘩シーンでもあたふたしてて喧嘩に参加していません。)

だとすると、彼が長く収監されていても、「喧嘩が怖い」という感情を抱くのは間違いではないんですよね。

(ちなみに、よくある「自分の罪を思い出して恍惚に浸ってる」系の考察をしていないのは、次章で考察している理由のためです。)

 

そして、回想のシーン。

救いようがなくて辛い…。

あそこは、エガオくんの心の闇を表すとともに、(後のダイケンの回想シーンの方がよりやるせなくて薄れてますが)「思わず同情してしまうような事情により犯罪を犯し、収監されている人もいる」ということを示す一例にしてるのかなあ、と。

尊いですね。

早くシャバに出してあげて結婚したいです。

 

⑤部屋の身辺チェックのシーン

中林がジュンのノートを見つけて嘘の話を朗読し…というところです。

ジュンの私物置き場の横が、ジョーとエガオくんの私物置き場と想定。

片方は、洋書?のようなものが置かれています。

これは、きっと日米ハーフのジョーのものですね。

もう1つのところには、少年ジャンプのような漫画雑誌。

(中林が漫画雑誌?の中身をパタパタするシーンもあります)

これ、十中八九エガオくんのものですよね。

ジャンプを読むエガオくん…年相応感が尊いです。

 

ここからは完全に想像が強めの考察です。

王道の少年マンガは、「平凡(むしろ鈍臭い寄り)な主人公が、仲間と一緒にヒーローになる」というのがセオリー。

なんなら鈍臭すぎてバカにされているような主人公も多いほど。

これ、主人公のキャラクター性がエガオくんと若干被りませんか?

もしかしたら、エガオくんは鈍臭い主人公が大切な仲間を作ってヒーローになるストーリーに憧れていたのかもしれない。

と思うと、エガオくんは決してただのサイコパスではなくて、むしろ心根では善や正義を信じる、誰よりも優しい子なのかもしれないなあ、と想像してしまいます。

(たぶん、実際はこんな大きい意図はないと思うけど)

 

⑥中盤〜脱獄前

なんか、少しずつエガオくんがなんとなくしゃんとしてきてるような気がしません??

高地優吾感が出てき始めてるというか(??)

少しずつ、エガオくんの精神的な成長を表現しているのかもしれませんね。

 

⑦脱獄シーン

この世のエガオくんハンター全員に聞きたいんですけど、ラストのジュンが死んでしまうシーンまで、エガオくんいないですよね…??

(パンフを見たところ、ラストカットだけ別日で撮ってた?っぽい?)

その頃エガオくんは、早めに1人で脱獄しちゃって、武道を心得てるバカだけど器用なお兄ちゃんと、顔は可愛いけど少し腹黒くて口喧嘩がめちゃくちゃ強そうなお兄ちゃんと、エリート街道まっしぐらで権力持ってそうなお兄ちゃんと一緒に過ごしていたのかもしれません。

もしエガオくんにそんなヤバそうな兄貴が3人もいたら、今頃彼の人生も変わっていたことでしょう。。。

 

⑧出所後、現代のシーン

全員がそれぞれの道を歩んでいるシーン。

ほとんどのメンバーがスーツを着ているだけなので、実際どんな職に就いているか分かりません。

でも、エガオくんは自身がいた刑務所を改装したホテルに勤務するホテルマンになったという明確な職業が提示されています。

良かったね、エガオくん! 結婚しよう!

 

「ホテルマン」という職業。

この職種において、1番大事にされていることが「笑顔」なんですよね。

物語序盤では、「どこか薄気味悪いもの」として表現されていたエガオくんの笑顔。

ラストではその笑顔が最も重要と捉えられている職に就いたということが、何よりエガオくんが成長した証なのではないでしょうか。

 

また、ジョーと会話するシーンで、エガオくんは「『俺たち』がいた場所だ。」と発言しています。

ちなみに、収監時のエガオくんの一人称は「僕」。

この一人称の変化も、彼の成長を表現しているようです。

上のシーンが終わり、少し経って客席が映される時、客席奥にいるジョーは1人、エガオくんは入口に近いヒロトの隣にいます。

一方、息子が中林に「ロビーでもらった」とジュンのノートを差し出すシーンが。

ということは、

ジョーからエガオくんがノートを受け取る→息子にロビーで手渡す→ショー会場に戻って、入口付近にいたヒロトの隣にいる

というのが自然な流れ。

ホテルのスタッフであれば、特に不審がられず渡せますしね。

と考えると、なかなかにエガオくんは大きい仕事をしています。

すごいよエガオくん! 君は天才だ!

 

そして、ラストのジュンのノート。

エガオくんのところに、

「コイツの笑顔は周りをハッピーにする」

的なことが書かれています。

これこそが、エガオくんの本質であり、エガオくんの成長の印なのでしょう。

(他のメンバーについても、かなり本質的なことが書かれているよね)

 

「映画 少年たち」の主役は、あくまでもジュンとジョー。

でも、他の少年たちも全員、あの刑務所での日々で成長し、立派に社会に羽ばたいている。

エガオくんの成長は、特にそれを浮かび上がらせているような気がします。 

 

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ババっとまとめてみましたが、エガオというキャラクター1人をとっても、実は大きなストーリーが見える。

たぶんおじいちゃんはそこまで考えてないと思うけど笑、見終わった後も希望が持てるような物語でしたね。

(単に、エガオくんは出番が多くて、分かりやすかっただけだと思うけど)

 

ついに応援上映も決定して、もっと楽しみの幅が広がりそうですね!

最後に一言、エガオくん、好きだ〜〜!!!!!!!!!